コンテンツを広げようとする力と抑える力

Webはコンテンツを広げようとする力と、それを抑えようとする力がせめぎあっている。
情報やコンテンツは、内容そのものこそ変化しないが、知っている人の数によって変質する。
ニュースサイトや動画共有サイトは、情報や動画の「誰かから見た価値」を総合的に大きく変化させたと思う。従来のコンテンツそのものに内在する価値に加え、

  • 価値が上昇する要素

・みんなが知っている→話題としての価値
・情報やコンテンツが波状的に広がり、2番煎じやコラボレーションが生まれていく

  • 価値が低下する要素

・コンテンツ内容が既知となってしまい、新鮮味がなくなる(有料とする価値がなくなる、と言い換えてもいい)

  • 価値が???な要素

・情報やサイトの知名度が上がることで、そのサイトや情報の質が変わるケース(情報やサイトが現在進行形の場合)
情報やコンテンツは、広まることによって価値が増大していくものもあれば、どんどん価値を失っていくものもあると思う。一度、そのコンテンツを見ることであきてしまいそうなものは価値を失いやすいだろうし、中毒性があったり購買欲がでてくるものは、価値をあらたに生みだすようなこともあるだろう。
正直そこらへんは企業も手探りなようで、動画共有サイトに対する各社の姿勢の違いにも現れている。もしコンテンツの価値が増大するならどんどんやってくれ、という話なのだが、問題は複雑のようである。著作権を振りかざし、拒否し続ける企業があるのも事実だ。
Web上の「テキスト情報」も著作権問題は非常にグレーな状態だ。引用はどこまでがOKでどこまでがダメか、という話が裁判にまで持ち込まれているケースも数件ある。書籍化することによる問題や、インスパイア問題などそれ系の話は後を絶たない。要はケースバイケースという話である。直近の話題ではでは、mixiの規約改訂などがあった。
今回、発狂小町様が閉鎖するようである。正直、残念だ。そもそもそういった名前のサイトがあることすら知らなかった私としては、内容が一々新鮮であったし(Webの書き込む層や話題が違うからだろう)、勉強になったり楽しめることが多かった。今までありがとうございました。
コンテンツを広げようとするユーザの力に対する抑制力が、今後寛大な方向へ行けば良いなあと思う。色々と難しい問題をはらんでいるにしても、皆で楽しめるってのがやっぱりWebの本質だと思うから。いざ、企業がそれをビジネスにしようとしても、なかなかうまくいかないものですよ。寛大な心を是非お願いしたいところである。