3歩、前を歩く人

Webで有用な情報を得ようと思ったら、優秀な人が書いたちゃんとした文章から順にチェックすることが、一番効率的かというとそうでもない。単純に、頭のレベルが色々追いつかず、理解できないからだ。・・・悲しいことに。
Webで情報を探すとき、しばしば公式サイトではなく、自分の体験をもとに説明したブログなどを参考にすることがある。そっちの方が今の自分にとってわかりやすいからだ。いきなり様々な知識を前提として話されても、わけがわからない。すべては理解していない人でも、それなりに分かりやすく説明してくれている文章の方が、ああ、こういうことを言っているんだな、と理解しやすいし、親近感もわく。
Webは全ての人をつなぐコミュニケーションツールである。世の中に優秀な人はごまんといるわけだが、頭のいい人はしばしば、ある知識を前提のもとに話す、つまりはしょって説明することが多い。その間のことは当たり前だというわけだ。その間のことがわからないんだよぉぉぉぉぉぉぉと絶叫しても聞こえるはずもなし、なんかよくわからない単語を使いながら説明を続ける。逐一質問するのもいいが、やはり、面倒くさいとか、そんなのも知らないのクスクスといわんばかりのコメントを返されるのも屈辱だし。つまり頭がいいからといい人だからといって自分にとって有用な説明があるかというとそうとは言えないのですね。
そこで、自分より少し前を歩いている人を参考にするわけである。自分と同じような境遇、考え方の人であれば共感も大きい。世の中たいていのことは真似しておけば問題がないように、自分より少しだけ分かっていそうな人の話を参考にする。これは身になることが多い。なぜなら、彼もかつて自分のような時代が少し前にあり、ステップを踏んで少し前にいる、というだけなのだから、その間の話を詳しく聞くことができる。また、少し前にいる人も、そういった初心者がつまづきそうなところも丁寧に説明するので、その通り、やればいい。自分にとって「最適な」情報というわけである。
馬が、目の前にニンジンをぶら下げると喜んで走るように(たとえ悪っ)次のステップが見通せてきてはじめて人は動く気になる。Webにはまとまった情報が多くあるにもかかわらず、ブログなどもまた情報源として利用されている理由には、そういう部分があると思う。それはさらに先を見る上では不完全な情報かもしれないが、とりあえず3歩進むためには、最適な情報源なのだ。先のことは、3歩進んでから考えればいい。その先で、また3歩だけ進めるような情報もあるかもしれないし。そうやって段階を踏んでいった方が、行動コストがとりあえず低いので、行動に至りやすい。
実際、最先端の研究に携わっているわけでもない、普通の人が書けることというのは、まとまった情報や最新の発見ではなく、あくまで気づきやきっかけを与える入口でのようなものある。そんな気づきを与えられるようなエントリを書けていけたらいいなあ、と思う。