Web上のコミュニティの寿命を考える

人は、集まれば群れたがる。実社会でしばしば見られる現象だが、Webでもそれは変わらない。
趣味が一緒の仲間が集まるWeb上の小さなコミュニティは、mixiやゲーム、サービスやブログなどをはじめ、Webのいたるところに存在する。人数は数人から多い所では千人単位となる。これらはWebというつながりの世界において生まれた情報縁といえる。何か共通する部分や趣味を一つ持つことからつながりは始まるが、中にいる人々は、全然自分と違うタイプもいれば、似たタイプもいる。まさに偶然の出会いである。
ただ、こういったWebコミュニティは流動的で、やがて人々は様々な理由によってコミュニティを離れていく。様々な人との出会いがあり、別れもある。コミュニティ自体が廃れていくことだってある。
やめる理由としては、単に興味がうせた、飽きたなどによる自然消滅が主で、他にもコミュニティ内での仲たがいや、参加度などによって、人々は流動する。
私は今まで、人並みくらいはWebのコミュニティに参加してきた。様々な年代、様々な性格の人がいた。楽しいときは、そのコミュニティに入っていて本当に良かったなと思った。つらいときは、何でみんな冷たいんだ、と一喜一憂したときもあった。
人が人を完全にわかっていることはできない。情報の少ないWebならなおさらだ。そこはうまく、どちらかが譲歩したり、解釈、理解を示すことで、たとえ全てがわからずとも、互いに妥協し、うまくやっていく。そんな暖かいコミュニティはやっぱり楽しいと思うし、大切だと思える。そんなコミュニティが、この楽しい時間がずっと続けばいいのに・・・などと思ったことは何度もあった。というのも、かつて所属していたコミュニティは廃れ、自然消滅していくことが多かったからだ。なぜ消えてしまうのか?悲しい、残念だという気持ちはあったが、どうしようもない。また、新たな場所を渡り歩いくしかない。
しかし、永遠ではなくとも、寿命を延ばすような良いシステムやルールができないか・・・そんなことを思った。(以下、twitter上のYoi氏との会話内容結構引用(「」部分)、一部表現改変。)
Webのコミュニティの寿命は1年から2年」らしい。時間がたっても同じ面子とずっとつきあっていることによるマンネリ感などが一因であるようだ。確かに、学校でもクラス替えってありますね。小学校で2年ごと、中学で1年ごとだったかな。おお、まさに寿命予想と符合している。たまにはシャッフルした方が新鮮な気分が持てるのですね。わかるわかる。
家族や、地域の集まりといったコミュニティは、社会上の必要性もあるので存続し続けるだろうが、Web上のコミュニティは存在が必須ではない。気軽に参加する自由もあれば、そっと去る自由もあるのだ。誰もそれを止めることはできない。
Webの形骸化したコミュニティは、寂しい。名前だけがいつまでもWeb内の情報として刻まれている。それらは今もWebに無数に存在する。大半が、解散というはっきりした形ではなく、実際の活動がなくなる、アクティブユーザが消える、という形で、ゆるやかな終焉を迎える。
活動しなくなる非アクティブユーザはいわゆる幽霊部員と化し、名前だけが残る。10数名いるが、実態のアクティブユーザは2.3人なんてのはよくある話だ。システムにもよるが、幽霊を特に消す必要はないから。万が一戻ってくることもあるし、見た目より多く見えるしね、新しく入ってくる人にとっては。
さて、幽霊が増えていき、クラブが崩壊へ向かう現象は避けがたいものなのか?
クラブをいつまでも繁栄させるための一つの試みとして、

  • 厳しい入部条件、テストなどを課す
  • 一度入ったら退部はゆるさない

といったコミュニティがあった。
他のコミュニティが生まれたり消えたりと、変化していく中、そこだけは長い間一定数のまま強いつながりを保っているように外から見えたので、興味を持って入った。うらやましかったんですね。楽しそうだなあ・・・俺も仲間に加わりたい、という素朴な気持ちです。
しかしそのクラブも、色々トラブルがあって人が減っていき、入部条件をゆるくする形となり、クラブ自体の雰囲気が変質して、今日、活動はあまり行われず、かつての愛着も消えつつあります。
という話をYoi氏に投げると、
「後から条件を緩くするのは廃れに直結するような。」まさにその通りのことが起こっています。
入会希望者のベースを確保しないと辛いのではないか」なるほど・・・!そういったシステムがなかったことが欠点だったのかも知れません。
「一旦変質、崩壊に向かったコミュは立て直すの大変ですよ。」もはや以前の雰囲気にに戻すのは不可能に近い。今の状態を受け入れるしかない。
「それくらいならメイン何人かで飛び出して新しくコミュたてたほうが早いしさらに良いコミュができるとは思います。前のコミュに思い入れがあると辛いですけどね。」図星過ぎる・・・詳しい状況話してないのに。実際そういった動きもあって、何人か強引に抜けていますね・・・。
コミュニティの寿命を伸ばすにあたっては、来るモノを拒まず去る者を追わずで、新規参入を積極的に受け入れていく」という話は非常に参考になった。いやーなるほどなあ。Webコミュニティを作る際に参考になりそうだ。まあ、制限を課するという形はあくまでコミュニティの一形態であり、他にもっとゆるーいつながりを目的としたコミュニティなど、目的が違えばルールも変わってくるとは思うが。

ここからはTwitterに関する雑感。
いつもは疑問を自分で考えていって、足りない情報をWebでちまちま検索して探すという方法をとっていた。どうしても気になることは日を置いて友人や教授に意見をぶつけるとか、メールで聞いてみたり、人力検索やいわしを使っていたり、エントリをとにかく書いてみてコメントを参考にしてみたりしたが、最近はtwitterで反応が返ってくることで考えが発展する可能性が出てきた。飛躍的にエントリの内容がまとまる時間が短縮する。うれしい!
というか、私の疑問がレベル10くらいなので、今私がぶつかっている疑問の答えを知っている、もっとレベルの高い方がいるんですな。すばらしいことです。
まあ、内容を補強するということはやらなければ。やっぱり自分で考えて探していく部分もないといけない。でも、まずはYoi氏に感謝。