短い動画を楽しむニーズ

ほんの少し前までは、動画を見るといえば、ドラマやエンタメ、ドキュメンタリーだったら一時間単位、アニメだったら30分単位でみる形態が主流だった。
今もTVにおいてその状況はかわっていないが、動画投稿サイトにおいては、別のニーズが見られる。2-3分で終わる短い動画が多く再生され、ランキング上位に来ている現象である。
これらのショートムービーは、従来の番組などとは別の歴史的経緯をもっている。音楽を主とし、PVを延長したような音を主とした動画の流れと、MADなどにみられるアニメOPやEDにキャスト紹介として流されるショート映像としての流れである。だから、そもそも種類からして違うのだが、動画投稿サイトにおいてはこれらの動画が混在している。なぜその中で、ショートムービーが上位に来ることが多いのだろうか?
単純な話、再生時間が短い方が再生回数が伸びやすいということももちろんランキング上位の一因にあるだろうが、それとはまた別の要因もあるように思う。個人的な感覚として、動画を長時間見る、ということがどうもダれてしまう時があるのだ。
もちろん、やることをやって「今から本格的に遊ぶぜ!」という気分の時は長時間でも十分楽しめるのだが、物事が途中のとき、ほんのちょっとした清涼剤(仕事や勉強の合間に、ジュースを飲んだり、ちょっと一息入れてトイレに行く感覚に近い?)として動画を楽しむ、といった形態のニーズが別にあるように思うのだ。
人々のちょっと空いた時間を利用して、短く、細かく区切って合間合間に見ていくという楽しまれ方が、youtubeニコニコ動画を流行った一つの要素であるように思う。いつでも好きな時に、好きな時間だけ割り切って楽しむ、という現代の人々の求めているものにマッチしたのかなと。無論、すべての人がそう思っているというわけではないですが。もしニコニコ動画youtubeに面白いコンテンツがあったとしても、ほとんどの動画が30分以上の動画ばっかりだったら、何か課題の途中だったら、我慢して見に行かないね、私なら。最低30分使ってしまうことがそれで確定してしまうから。他の、ちょっとに楽しめるミニゲームとかを探すかもしれない。
ま、この動画だけ見たら勉強に戻るぞ!と最初は思っていながら、気が付いたら一時間たち、いつまでもランキングの上位から好きな動画を順にチェックしている自分に気づき、「うぉぉぉぉ何やってんだ俺!」と自己嫌悪に陥るのは割とお約束なのだが。
肉体が疲れたら飲み物や甘いものを体が欲するように、脳が疲れると自然に指がお気に入りの中のニコニコ動画を押している自分に気づく。ストレスや疲れがたまった脳の清涼剤として、サクッと楽しめるニコニコ動画を利用しているのかなと。こ、これがニコニコ依存か!とか思うこともありますがw