MAD問題の背景

各地で話題となっていることに刺激を受けて私も思うところを書いてみる。
今回のカルタ発売に関するアイマスのP参加がなぜ問題になったのか。
まず素朴な疑問として、Pとして名前をわざわざ出す必要があったのか?という所。実名のほうが逆に良かったような。P達は、Pとしての存在や活動を認知してほしかったのかもしれないが、今回は逆効果になった部分もあった模様。まぁ企画の内容的にうっかり実名出して、後に実名で検索して見つけられるのが嫌だったのかもしれないが。
私は今回賛否両論が出た理由は2つの軸があり、
1、Pたちが社会的に認知されているか、認識のズレ
2、商用問題
に集約すると思っています。
別に今回の企画に参加するなら参加するだけして、名前ださないことが波風を立てない策だったとは思う。釘宮さんに会えるだけでいいやんねー。P達もそれである程度満足していたのではないか。なぜPとして名前を出したのか。
Pたちからすれば別に問題になるとは思ってなくて、参加したから名前をいれてもらった、でも実名はいやだからP名で、ってことだったのだろう。想像だが。別にP名を出すことが批判されるとは思ってなかったと思う。動画も支持されているし、それがたとえグレーだったとしても今回の企画とは関係のない話であるから。
しかし、現実には話題になった。それは一つには、ビジネスの要素を持ち込んでいることが大きかったようだ。
ニコニコ動画の映像文化は無償でも成り立っているのではなく、無償であるからこそ今のような状態が成り立っているのだと思う。今回のPたちの行動に批判が出る一つの理由は、「調子乗ってるんじゃね?」「ついにビジネスに手を出したか」という目で見られていることが背景にあると思う。Pという名前を出す以上、MAD作品とは切り離せない。そしてMADの著作権問題も。もちろん著作権親告罪です。版権側が訴えなければ罪にはならない。しかしいまだ、ある日アイマス動画が一斉削除を受けても文句が言えない動画ではあると思う。別に音楽、映像の版権元がシロといったわけではないし。全ての映像が版権元と共存関係にあるかというとそうではなく、会社によって様々である。アイマスに関してはなかなかソースがみつからなかった。一つあったのががこれ。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20070702/1001370/アイドルマスター制作のインタビュー第2回
Xboxアイマスプロデューサー坂上氏 以下引用
そんなツッコミどころのあるつくりが、ユーザーの「同人心」をくすぐるんでしょう。思い入れのあるキャラクターを「俺だったら彼女をこういうふうに見せたい」という心理が、自分でイラストを描いてみたり、動画を編集して人に見せたり、ということにつながるんだと思うんです。そんな楽しみかたをしてほしいというのは、開発当初からあったので、非常に嬉しいことですね。(日経BP)
これだけでは何ともいえないが、MADに関して一定の理解はありそうである。かといってシロといったわけではないが。そもそも、シロといわれる日は永久に来ないんじゃないかとすら思う。あくまで「黙認」。そこまで。商用とかに利用しだしたら取り締まる。さすがにMADを売り出すとかがだめなのは大方の人が賛成するところだろう。
いままで、Web上では様々な著作権問題について話し合われてきた。文章の転用や素材をはじめ、色々。この問題に関しては、賛成派と反対派でかなりの認識の開きがあり、絶対に超えられない壁が今のところあると思う。アニメ動画の話でも散々某所で議論された話だ。根強い反対派はまだまだ多い。別に一理あると思うし。
解決にあたっては、決定権を持つものが具体的な行動に出ないとなかなか結論は出ないだろうと思う。
今回、時期が微妙である。アニメ問題で散々議論がされたり、JASRACや版権元との交渉が解決に向かいだした矢先の話である。今は著作権問題にデリケートな時期であると思う。だから人々は過敏に反応したのではないか。
逆に考えると、そろそろMADの是非について議論されるべき時期に来たのかもしれないが。

追記 あと、アイマスは確かにニコニコ動画の一ジャンルだとは思う。しかし、全てではない。アンチや興味ない人も確実にいる。先のTOP3動画ジャンルエントリでも見ていったが、まぁ上位に来る動画全体の10%といったところだろう。10%ってかなりすごいけどね。アイマスを好きな人とそうでない人で、認識がかなり違ってきているのもめている一つの要因だろう。