電脳ペットを「かわいい」と思うか

時は20XX年、と未来がばら色な先端技術で埋め尽くされているかのような漫画が1990年代にはよくありました。20年後はどれほど現代の技術が進化しているのか、想像することが楽しかったころです。じゃあ今、想像したほど技術が進んでいるかというと、そういう分野もあるし、そうでない分野もある。ドラえもん鉄腕アトムはとりあえず難しそうですね・・・。
さて、最近の技術を複合して、「電脳ペット」はできるんでしょうか、というのが私の素朴な疑問です。使うものとしては、ARtoolkit、人工(動物)知能をうまく組み合わせる。で、仮定として、実際ペットアプリができて、みんながそれを買った場合、それを本物のペットのように愛着やかわいさって感じるものだろうか・・・そして需要あるのかな、というのが今回のテーマです。
過去の電子ペットの例として、たまごっちなどがそのはしりと思いますが、漫画などの2次元のキャラクターに愛着を持つことは若い世代にそれほど違和感はありません。
一方、犬や猫などのペットはエサや散歩、下のお世話など手がかかりますし、先に死んでしまう・・・などの悲しさもあります。あと逃げていったり。(俺だけか?)犬や猫がかわいいかといえばもちろんそれはかわいいんですが、そもそも今の家じゃペット飼えない、などの問題もあります。
そんな時、電脳ペットがいたらどうでしょう。AIBO+たまごっち見たいなイメージで、家に帰ると電脳ペットが待ってくれていたら・・・。育てる楽しさや世話をし、反応してくれる楽しさを持つと思います。で、もちろんかわいいとは思うと思うんですが、それは実際のペットに対して持つかわいいと思う気持ちと質的に一緒なのかなということがあります。
もともと、ものやキャラクターに愛着を持つということは割と感情移入や没入感が強い性格の人なのかなと思っていまして、それはもちろん個人差があるのかなと思っています。なので、「均一的なソフトであるペット」を売り出しても・・・売れなさそうだな。方向性としては無限パターンが存在するようなカスタマイズや種類豊富なペットが必要なのかなと思う。自分だけになついてくれるペットもいれば、なついてくれないペットもいる。自分の世界の外にいる存在として定義してこそリアリティが増すのかなと思う。
自分は、割とキャラクターへの没入やイメージの置き換えを脳内で行うのはぜんぜん苦にならない、というか感情移入しすぎて困るくらいなので、好きになれるのかなとは思います。でもやっぱり、それは普通の生きているペットをかわいがるかわいさとは何か同じになりきれないとは思います。かわいいものはかわいいでいいんだけど。そこには触感も必要なのだろうか。電脳コイルの中ででてくる犬「デンスケ」も触れはしないらしいが、かわいいと思う。あれは・・・どういう感情なのだろうか。美しいCGを見てきれい、かわいいと思うくらいの感情にとどまるのだろうか。
ペットの役割としてやはり「癒し」があり、都内でも猫カフェがそこらにあるくらい癒しに飢えている時代です。癒してくれる存在が誰にでも必要で、それは実在でなければ(実在は相当に思うとおりに動いてくれないし・・・)、せめて、よりリアリティのあるものであればいいと思います。でもやっぱりそれはココロの深層をうめてくれるものとなるかは・・・わからないですね。本当にかわいいペットは昔、家族の一部として扱われてたそうですが、ご年配の方も電脳ペットを受け入れてくれるのだろうか。
ま、そもそもそんなソフトすらでていないし出る予定もないんですけどね。妄想癖の強い今日この頃です。