MAD化する報道

社会人になって感じたことの一つは、政党や議員というものには支持母体があり、小さな団体から大きな団体まで、すべからく推薦政党・推薦議員を持ち、政治への影響力を多少なりとも持つことで、自分の業界にとって都合の悪い法律であればそれをなんとかしようとし、自企業(他、宗教団体・NPOなどあらゆる「団体」)にとって望ましい法律を立法しようとしていることを肌で感じるようになった。
実際、それは票にも結びついているわけである。その団体がいかに影響力あるかを証明することで、その団体へ直接便宜をはかる、まではいかなくとも、蜜月の関係を築くことは双方にとって望ましいわけである。
ただ、通常の団体と違って、マスコミがいっせいにその論理で動いていしまうと、主に世論操作というものを行うインセンティブができてしまうわけである。
なれの果てには、事実と異なる報道を平然と行うようになる。いや、むしろそれを違和感なしに見せようと努力さえする。

マスコミは辛辣であっても良いと思うし、ダメなものをダメだという分には良い。だが、事実と異なる報道をしようと懸命に編集するのは、現場で実際にやっている人、編集している人も恥ずかしくないのか、と思う。そんなことをやるためにマスコミ業界に入られたのであれば、今すぐに去ってほしい。
うそをうそと見抜けない人じゃないと・・・という言葉があるが、TVはうそさえも事実に見せてしまう分、よけい悪質である。うそが事実になるのだ。受動的で限られたチャンネルしか視聴できない以上、その真実を知るすべはない。インターネット以前は、少なくとも、なかったわけである。
ダメなのをダメと報道するのか、ダメじゃないのをダメだといってダメにしてしまうのか。政治に関心が薄れた今、浮動票率も高くなり、世間は雰囲気で動いているなどとも言われている中、マスコミの影響力はかつてないほどに大きく、さらに編集も無駄に緻密になってきている(んじゃないかと思う)。
事実とは違うが、かっこいい部分、インパクトある部分をつぎはぎに編集して動画を作成する・・・もはやそれはMADである。日ごろ見ているニュース報道における映像も、ひょっとすると、編集前の映像と見比べると、「神編集」「なんだ、ただの神か」などという言葉が聞こえてくるかもしれない。もしそうだったら、すごくイヤだが、笑える話でもあるな。ニコニコ動画に投稿すればいいのにね。

3/3追記:切り口がすばらしいな。後編が非常に楽しみである。
社会のシステムについて疑問を持つことから、主義主張や政治へ、真に興味をもっていくものか。
やる夫がマスコミに疑問を持ったようです 【中編】