一個人が感じる景気

世の中は不景気らしい。不景気だと、ニュースでも新聞でも言っているからそうに違いない。不景気って多くの人が感じること自体が、不景気であることの証拠なんだろう。
一個人の立場から、本当に世の中が不景気であるかそうでないか、それを知る術は少ない。本当に日々買う食べ物にも困れば、そう感じることもあるだろうが、幸いなことに、今はそれほどでもない。昔は、米の値段が上がったりすることで、死活問題だったそうだが。
ふとこのニュースを見て、子供の頃を思い出した。
原材料値上げの余波 駄菓子の「当たり」が無くなる
小学生の頃、学校から一分くらいの所に駄菓子屋があった。30円のコーラの粉末や、20円のカードクジ、60円のアイスなどが思い出される。中でも好きだったのが、一個10円のラムネだ。大きさは500円玉くらいで、丸い一個の一口ラムネ菓子。赤い縞がついた銀紙につつまれていて、中には青い文字で、「〇円 当たり」と書いてあるクジが入っていた。
そのラムネの味が、今思い出しても大好きで、あのなんともいえない味のラムネを心のどこかで求めて、今もたまにスーパーでラムネ袋を買ったりもするが、酸っぱくてあまりおいしくない。あれは、あの頃だけの味だったのかもしれない。
ちなみに、そのラムネがどれほど好きだったかというと、お小遣いが200円として、200円分全部ラムネを買い占めるくらいだった。そして、もう一つのお楽しみはラムネそのものだけでなく、クジにあった。かなり当たりが多かったのだ。
今思い出しても、おかしかった。200円のラムネで250円ほど当て、それでまたそのラムネを全て買い、今度は100円ほど買い、またラムネを・・・と繰り返すことが多かった。ラムネがなくなるまで買い続けた。10円のラムネなのに、「100円 当たり」まで入っていたから、色々期待値的に考えてもやばかったように思う。あたりの期待値、10円超えてたんじゃないか?
やがて家が引っ越すことになり、その駄菓子屋がどうなったか、ラムネがまだ売っているかはもはやわからない。ただ、ニュースを見てふと昔のことを思い出し、
「当たりが少なくなったんじゃ・・・・・不景気になっただろうな・・・こどもの社会は。」
と思った。