ニコニコ動画は成熟期に入ったか

最近、周りのニコニコ動画の評価や付き合い方を聞いていると、はまる人ははまる、飽きる人は飽きる、という形で、ユーザの流れがある程度落ち着いてきたかのように感じる。アカウント500万、ユニークユーザが200万弱、といった所で落ち着き、これ以上の大幅な増加はとりあえずあまり期待しないほうがいいのではないか。
というのも、一年も経ち、各メディアでもとりあげられたことで、とりあえずニコニコ動画という動画共有サービスをまったく知りませんという人は(私が知る限りでは)いなくなり、1,今も見ている、2,見ていたが飽きた、3,知っているが興味、時間がないなどで見ないという層に分かれ、4,まったく知らず、もし知ったらたちまちはまるであろう層、というものはほぼ消えたのではないか。後、その他として5,興味がある、なしにかかわらずWeb環境がない、あったら見るかもしれない、という層があるが、とりあえずWebユーザに数えられないこともあって除外。
かつては、Webを席巻した「新」サービス(当時)も、爆発的にユーザが増えた時期というものはあった。mixiやfc2サービス、ブログなどはその一端である。ユーザ数はサービス開始後急増し、やがて旬は過ぎ、安定期に入る。新しもの好きな人がやがて飽きたりすることで、ある程度ふるいがかけられ、最終的にコアなユーザがそのサービスに残ることになる。mixiで確か800万アカウントくらいだったか。そこらへんでユーザ数が安定し、悪く言えば停滞している。
Webのサービスも、ユーザの利用時間の奪い合いの末、ある種の住み分けができてきた。たとえば、mixiを続ける層にしても、ニコニコ動画を見る層にしても、サービス全体の雰囲気が人を選ぶところがあるように思う。好きな人は大好き、ほかは( ´゚д゚`)えーーーおもしろい?みたいな。ある部分で共通したタイプの性格や嗜好の人が集まる世界となった感がある。好きなもの同士で楽しむのは当然なのだが、そういったコアユーザの偏りが進むほど、一般の会話などとのギャップが激しくなってくるなぁ、と実感する。温度差がかなり激しい、といいますか。
だから、ニコニコ動画のこれからの戦略としては、どうやってユーザを増やしていくか、から、今いるユーザをどうやってうまく囲い込むか、ファンになってもらうかという方向性に転換していく時期なのかと。サービスとして安定したものとし、機能付加などにより満足度を上げ、できればコミュニティが勝手にできていってより結びつきが強くなる仕組みを作り、あとはもうちょっとお金落としていってくれないかなー、となるようなサービスやキャンペーンを展開する。そういった段階にきているのではないか。
youtubeは確か1000万でしたっけ?そういう意味では、ニコニコ動画も同じ動画共有サービスなのだから、やりようによっては伸びしろがあると思うが、現状の字幕やアカウント制を見る限りでは、このサービスはたしかに面白いが、人を選ぶな、嫌いな人は嫌いそうだな、ということも思う。まぁ、そもそもyoutubeとは方向性が違う、ということもあるでしょうが。
こういった状況で、これからドワンゴがどういった戦略を展開し、最終的に黒字にもっていくのか、次の一手が待たれるところである。ニコニコ生放送スクリプトの活用など、さまざまな動きは見られますけどね・・・・。個人的には、ニコニコ動画の状況は見ようによっては、ユーザが動画の嗜好、選択という軸で、セグメントごとに分かれている状況と見ることが出来るので、そこから何か背中を押してやるサービスがあれば、ユーザ同士のつながりの強化や、収益の萌芽になると思うがなぁ。
現状は、mixiはてな2chや捨て六など、ユーザの集まり場所が分散している気はする。ニコニコ系のSNSが後手を引いた感があったし・・・。まぁ、現状が悪いと言っているわけではなく、どういうあり方がいいのかはよくわかりません。ニコニコ動画は、2chmixiのような収益の上げ方を踏襲することが出来るだろうか・・・。(ひょっとしてそれでは足りないかな?)