ニコニコ動画のMADを楽しむ人々

ニコニコ動画は大別して5つのジャンルに分けられると思う。
アンケート・タイピング系、○○をやってみた、オリジナル創作、すでに放送された映像、そしてMAD。今回はMADの面白さについて考えてみる。
ニコニコ動画のMADのは何がどう面白いのか。と考えていくと、結局のところ「音楽と映像のリズムを合わせている」「編集の面白さ」という二つの要素に帰着しているなぁと思う。
まず、映像と音楽のシンクロ率が高いかで評価が分かれる。それは、シンクロ率がその作品の完成度の尺度であり、シンクロしているほど見ている側に満足を与えるからかもしれない。シンクロ率の高さは作者がその作品に対して丁寧に時間をかけたひとつの証明であり、その部分を評価するユーザもいる。
一方編集は、音楽内容とうまくシンクロした編集や、今までにない斬新な視点での編集、技術力の高い、また時間がかかっていそうな編集かどうか、ということが評価の対象になっている。あと、ネタ要素がはいっているか、「見ている人を楽しませるという視点」が入っているかどうかも重要で、それによってアクセス率は大きく変わる。
オリジナル作品は、その作者の世界観や視点が評価の対象になるのに対し、MADは、音楽も映像も借り物であるため、それをどう料理するか、で評価が分かれるわけだ。
まぁ、そこら辺はすでに認識していて、何をいまさらと思う人もいるかもしれない。
しかし、リズムを合わせてネタを添えるだけで、なぜこうも楽しめるのか、それが私には不思議だ。非常に醒めた目で見ると、なにが面白いのかわからんとも思う。実際ニコニコ動画を見ない、面白くないと思う人の理由のひとつとして、これらのMAD動画の何が面白いのかがわからない、という意見があると思う。
でも、それで楽しめる人々もたくさんいるんですよ。そこのところが人間ってすごいなと。そういう感覚を持ってるということは感受性豊かなのかなと。
もしですよ、ニコニコ動画のユーザは一般の人と比べて感受性が豊かだった!などというニュースが流れると、ニコニコ動画の評価も上がると思うんですけどねえ。クリエイティブな感覚を持った人々の集まり(笑)(悪気はないですよ、いい意味で)
まぁ、この感覚というのは、2chの「くだらなさ、ムダを楽しむ」という文化に通ずるものがあると思いますが。日々の生活にとらわれない、精神的に余裕がある人々といいますか。
さすがに誉めすぎだな。社会の効用最大化を達成するためには(いわゆる「お国のためには」)、もっと生産的な仕事に従事するべきと主張する人も多いし。そんな精神が重視されなくなった現代の世相を反映する現象として、2chやニコニコの隆盛があるのかもしれない。

そんなことを考えてしまったのは、元旦のニコニコ動画の一位がらんらんるーと東方の合成動画だったからです。いや、確かに面白いけどさw