ニコニコ動画ニュースの先

動画ニュースをリリースしたとき、ニコニココラムに「これから先の展開を見据えて・・・」と書いていた。具体的に何を見据えているのかを考えてみる。
ニコニコ動画は今まで、あくまでユーザの投稿した動画をみんなで楽しむ「場」に過ぎなかったが、一定数のユーザも集まったことで「うまくこのアテンションを利用して情報発信などをすればより収益が上がるのではないか」と、市場、プレミアム課金、スポンサーによるバナー広告以外の道を模索している段階なのだと予想する。
ただ、広告といっても従来のバナー広告ではどうしても数字が一定以上はあがらない。かといってGyaoと違って動画内容とは別に広告を流す方針は取らないと表明している。じゃあ、コンテンツ主体で、広告とコンテンツを合併してしまえばいいんじゃないかと思う。
具体的には、ウサビッチのVMAJの宣伝のようなものをイメージしている。ニコニコ動画の作者にシリーズの一環として、宣伝もかねたような動画を作ってもらうイメージ。もちろん嫌な人は嫌だろうから、協力してくれる人に頼む、という形で。
youtubeではナイキのCMが122万再生されるなど、動画のアテンションを利用した企業の試みはなされている。ニコニコでも、たとえば多くの視聴者を獲得している作者をニコニコに迎え入れ、今までどおり作ってもらうとともに、たまに企業の宣伝の要素も加えた動画を作ると、従来のCMよりも面白いものが出来上がるのではないか。http://www.nicovideo.jp/watch/sm1874184(IOSIS)はキュウリの宣伝になり得ると思うし、http://www.nicovideo.jp/watch/sm1890440ポーションの宣伝になり得ると思うのである(た、たぶん・・・。)

ただし、問題もある。DL違法化の際の話でもでてきていたが、日本のWebユーザのひとつの考え方として、「嫌儲」の文化がある。要は、金目的に利用されたくない、そういった邪な心なしに純粋人をに楽しませるようなものが見たい、という価値観である。これに関しては賛否両論あるが、ニコニコ動画でも以前、ねこ缶の動画をコミケで売るという話でも叩かれていた部分があった。無論、そういった意見は一部なのかもしれないが、金儲けをあまり良しとしない姿勢はニコニコ動画内のユーザにも見られる。
ニワンゴとしては、「場」の提供にとどまらず、何らかの形でコンテンツを発信するところから収益を上げるようなモデルを模索しているのではないか、と思うのである。どういった形になるのかは不明な部分もあるが。で、ニコニコの動画版ニュースは、ああいった運営発信のコンテンツがどれくらいのユーザに受け入れられるかの試験もかねているのではないか。
未来のニコニコ動画は、一般の人からの投稿を主体コンテンツとはしながら、運営側やセミプロなどの動画もニコニコ動画に入り混じっていくと思う(というかもう混じっている)。何はともあれ、面白いコンテンツがたくさんあれば、ユーザとしてはそれでよかろうなのである。いやなら見なくていい。結局支持と注目を与えるのは多くのユーザ自身なのだから。