googleが考える動画ビジネス

あるフォーラムで、google日本法人社長の村上氏の話を聞く機会があった。最近の動画の著作権問題についても語っていた。それによると、
youtubeの中の違法動画を技術的に検知するシステムを開発し、β版が2週間前にリリースされた。そのツールは、たとえ違法動画の部分が一瞬でも、正規動画の裏にでも、16分割くらいにわけられていたとしても、検知できるものである。これを権利者に配布する。
権利者は違法動画を検知し、3つの選択をとることができる。
1削除する
2黙認する
3自社の広告を出し、アフィリエイトや商品紹介などで相乗効果を狙う
どうやらこの提案がJASRACおよび権利者側に認められたようなのだ。その結果が、昨日くらいに紙面をにぎわした、
YouTubeとニコニコ動画、「脱違法」へ――JASRACと著作権協議開始である。
会場からはそれに対し、「違法動画が全部権利者によって削除されれば、やがては動画をだれも見に来なくなってしまうのではないか?」という質問が出た。それに対し村上氏は、
「決して違法にアップロードされた動画を`なくすために`この検知システムを作ったわけではない。そういった動画を把握することにまず一つの意義がある。果たして権利者側は動画をあっさり削除してしまうだろうか?そうは思わない。権利者は動画を利用し、広告を出すことで、より利益拡大を目指そうとするだろう。」といった趣旨の返答をしていた。
もちろんなんでも利用するわけではない。発売されたばかりのDVDが翌日にはそのままアップロードされて流れていた、などとあまりに露骨なものは削除するだろう。しかしMADやネタ動画をはじめとした、宣伝としての効果が見込める場合は・・・・それをうまく利用しようとするだろう。ほっといても宣伝してくれるなんて、むしろ願ったりかなったりなのだから。
続けて村上氏は角川文庫に言及し、あれほど動画アップロードサイトの被害を受けた例はないだろう、と涼宮ハルヒのアニメを例に出して言及した。しかし同時にあれほど涼宮ハルヒがヒットしたのも動画サイトの影響だろう、と述べ、決して違法アップロードされた動画が削除されるばかりの結果にはならないだろう、と結んだ。
聞いていて何か違和感というか不思議な気がした。いや・・・google社長まで涼宮ハルヒを知っているとは思わなかった。今年還暦ですよ?それほどの大きな影響があったのかハルヒは・・。
ニコニコ動画も同様な仕組みを採用するようだ。もちろん検知システムの仕組みは違うだろうが。はたしてトラフィックに見合うような一大ビジネスとなり得るか。まだまだ課題は多いものの、将来が楽しみである。